あなたは、よくあさりを料理して食べますか?しかし、あさりをはじめとした魚介類を美味しく食べるためには、砂抜きと、特に潮干狩りで取ってきた場合は塩抜きが必要です。
そしてその際、あさりの砂抜きはどのようにしていますか?常温で?それとも冷蔵庫でやっていますか?
ぶっちゃけ言って、よくわかりません!
案外、魚介類の下ごしらえ(魚のウロコをとったり、3枚におろしたり、貝の砂抜きなど)はとても面倒くさいですよね?私もスーパーでできたものを買ってくる一人です。
一度、母が昔やっていた記憶をたどり、常温でやってみたら、翌朝あさりは全滅していました。台所の気温が高かったのが原因だったのもあるかもしれませんが…。
この記事を読んで正しい砂抜きのやり方や時短で砂抜きをする方法、塩抜きの方法を学んでみましょう。
あさりの砂抜きは常温の方がいい?
私自身もあさりの砂抜きの正しいやり方がわからず、残念な結果にしてしまった過去がありますが…。
そこで、上手に砂抜きができる方法をお伝えしたいと思います。
基本のあさりの砂抜きの方法
砂抜きが早くできる、という意味では、あさりが住んでいる環境に近づけることがベストなので、常温にあたる水温が20~25℃が適しています。
冷蔵庫でも砂抜きはできますが、あさりが休眠状態に入るため、一晩程度の時間(7~8時間)がかかります。
しかし、すべてのあさりを一晩かけて砂抜きする必要はなく、スーパーで買ってきたあさりと潮干狩りで獲ってきたあさりとでは、砂抜きの時間が違います。
スーパーで売られているあさりは、ほとんど砂抜きされているので、家庭ではそこまで砂抜きをしなくてもいい場合もあります。
潮干狩りで獲ってきたあさりは、持ち帰った海水を使うと3~4時間くらいで砂抜きができますよ。
しかし、潮干狩りで獲ってきたあさりを、家庭で作った塩水で砂抜きする場合は一晩ほど置かないといけません。
砂抜きの上手なやり方は住んでいる環境に近づけてあげること
あなたが手に入れたあさりが一晩砂抜きが必要だった場合、まず大事なことはあさりの住んでいた環境に近づけてあげることです。
あさりが住む水温は20℃前後といわれていますので、それくらいの水温がちょうどいいですね。
冷蔵庫に入れてしまうと水温が下がりすぎて、休眠状態のようになってしまい、砂を吐かなくなるのでおすすめできません。
貝は暗い場所を好みますので、砂抜きをする際はアルミホイルか新聞でふたをすると、しっかり砂を吐きだしてくれます。
ただし、容器を密閉するのは、あさりが弱ってしまうのでやめてください。
夏場は気温が高いので、常温で放置しておくと水が温かくなりすぎてしまうので、夏場だけは冷蔵庫に入れるか、クーラーが効いた涼しい部屋に置くようにしましょう。
水が熱くなりすぎると、あさりがストレスを感じ、長時間放置すると弱ってしまったり最悪の場合は死んでしまいますので、注意しましょう。
あさりの砂抜きの方法
砂抜きのコツは「待つこと」です。とにかく時間のかかる作業なので、忍耐強く待つことが大事です。
- 平らなバット
- バットよりも一回り小さい平たい網かご
- 食塩
- 水
- ボウル
〈基本の砂抜きのやり方〉
- あさりをしっかり洗いましょう
- ボウルに食塩水を作ります。海水の塩分は約3.5%なので、それと同じくらいの塩水を用意します
- バットの上に網かごをのせ、あさりを並べていきます。この時あさりが重ならないように注意してください
あさりが重なってしまうと、上のあさりが吐いた砂を下のあさりが吸ってしまいますので、重ならないようにおきます
- ここまで準備が出来たら食塩水を入れ、アルミホイルをかぶせて冷暗所に置きましょう
あさりが少し顔を出すくらいの食塩水だと、たくさん砂を吐いてくれます
暗い環境が好きなので、そのような環境にしておくと水を勢いよく吐くので、周りが濡れないように新聞紙やアルミホイルなどでふたをしましょう
ただし、あさりの呼吸を妨げないように密閉はしないようにしてください
- だいたい5~6時間放置してから取り出し、網かごを持ち上げてよく水を切ってください
- できたらあさりの殻をこすりつけるようにして、しっかり洗います
- この時水道水で構いません
- これで砂抜きの完成です
包丁やまな板、野菜など、生で食べるものにあさりが吹き上げた海水がついたままのものを調理すると、腸炎ビブリオ菌の中毒を起こす可能性があります
腸炎ビブリオ菌は加熱することで死滅しますが、あさりが海水を巻き散らさないように新聞紙やアルミホイルなどを上にかけておくと良いです
また、あさりが半開きになって、触っても閉じないようなあさりは死んでいるので、そのようなあさりは初めの段階で取り除いておきましょう
食塩水に浸ける時間が長ければ砂をどんどん出す、というわけではなく、食塩水が汚れてあさりが弱ってしまうリスクが高くなります
砂抜きした後に保存した場合は、食塩水から出して冷蔵保管しましょう
潮干狩りで獲ってきたあさりは海水が残っている場合があり、そのまま調理すると食べた時にとても塩辛い思いをすることになります。
スーパーなどで売られているあさりは処理済みなのですが、潮干狩りで獲ってきたあさりは塩抜きをしてください。
やり方は「塩水から上げて一時間程度放置するだけ」です。
しかし、やっぱりここでも水をピューピュー吐き出しますので、新聞紙などでふたをして飛び散り防止をした方がいいですね。
さらに、料理をする2時間ほど前に塩水から上げて、常温で置いておくとうまみ成分の「コハク酸」が増して美味しくなるそうです。
砂抜きを急ぎでやりたい場合は2~3時間でできます。次は急ぎの場合の時短技をご紹介します。
あさりの砂抜きが時短でできる驚きの方法とは?
あさりの砂抜きって時短でもできるんだ~!
時短でできるなら、忙しいときにはもってこいですね?さあ、どのようにするのか確認してみましょう。
時短できるあさりの砂抜き
あさりの砂抜きの時短技、こんなに簡単でいいの?っていうくらい簡単すぎます。さあ、あなたも挑戦してみましょう!
【準備するもの】
- 50℃のお湯
- 平らなバット
- バットよりも一回り小さい網かご
【砂抜きのやり方】
- バットに網かごを重ね、その上に洗ったあさりを一つずつ重ならないように並べます
- 50℃のお湯をあさりの口が浸かるところまで入れます
- 10~20分放置します(5分でもある程度は抜けますが、最低10分待ちましょう)
- 砂抜きが終わったら網かごを上げ、水をしっかり切ってあさりをこするようにして洗います
以上が砂抜きの時短方法ですが、このやり方だと一般的なやり方よりもすごい!という声が上がっているのです。
それではどのような意見が出ているのか見てみましょう。
お湯が濁るほどに砂が出てくる!という意見
まず50℃のお湯を用意してもらいますが、温度をわざわざ測らなくても大丈夫!熱湯1:水1の割合で約50℃になります。
殻同士をこすりつけるように付着したごみを取り除いた後、あさりを投入し、そのまま5分ほど放置します。
するとだんだんお湯が濁ってきて砂を吐き出していることがわかります。余裕があるときは15分ほど放置すると、なお効果的だとのこと。
なぜ50度のお湯が砂抜きに適しているの?
この不思議な現象の秘密を以下にまとめてみましたので、ご覧ください。
- あさりを50℃のお湯に入れることでヒートショックを受け、身を守ろうとする
- そうすると、水分をたくさん吸収し身を殻から押し出してくる
- その状態で強めに殻同士でこすると汚れや砂を一気に吐き出してくれる
- 付着した異物や汚れを排除しようとする振る舞いだと考えられる
- 汚れがひどいときはお湯を取り換えてすぐにかき混ぜる
- それでもまだ汚れが出るようなら、三度目は水を使用する
- そのまま冷蔵しても細胞は死なないので、うまみ成分や栄養分はそのまま保たれている
- 50℃のお湯で砂抜きしたあさりの身は、調理するとふっくらとして、その差は歴然である
- 料理の効率だけではなく、流通作業の効率化や、品質向上にもつながる可能性がある
私は「あさりをはじめとする貝類は生ものだから、食塩水じゃないと砂抜きはできない」と思い込んでいましたが、50℃という条件付きだけどお湯でもできるのですね!
これは凄い発見だ!
と思いましたが、あさりの砂抜きのやり方にはまだまだ他の方法がありましたので、ご紹介します。
他にもあった!超簡単なあさりの砂抜き方法
某テレビ番組で話題になったのが「あさりの肥満度を上げる方法」です。肥満度とは身のふっくら加減のことをさします。
あさりを太らせてデブにさせることかと思ったニャ~!
う~ん、「デブ」という表現はどうかと思うけど、あながち間違ってはいないかも…。
あさりをふっくらさせることでどのような食感になるのか、またどんなやり方なのか、興味ありますね。それでは見ていきましょう。
片栗粉を使ったあさりの砂抜き方法がとても斬新だった
使用する材料はなんと「片栗粉」です。片栗粉を入れることでジューシーに、身もふっくらさせることができるというので驚きです。
小麦粉でも良いそうなのですが、片栗粉の方が適しているとのことで、あさりは粒状のプランクトンを食べているので片栗粉はそれに似ているのでしょうね。
ちなみにスーパーで買ってきたあさりをそのまま冷蔵庫に入れてしまうと疲れて痩せてしまうそうなので、すぐに「片栗粉入り食塩水」に浸けてあげるといいですよ。
〈材料〉
- あさり 適量
- 食塩水 3%濃度のもの あさりが浸る程度
- 片栗粉 大さじ1
※3%濃度の目安は水500mlに対して塩15gです
〈作り方〉
- まずは3%濃度の塩水を作り、大さじ1杯の片栗粉を入れて混ぜます
- 1をバットに入れたあさりに注ぎます。この時、片栗粉水をすべて使わない場合は、ボウルのそこに片栗粉がたまるので混ぜながら注ぎましょう
- 上に新聞紙などをかぶせ、暗くした状態で3時間おきます
- 調理前に軽く洗って完成です 汚れが気になるなら、殻同士をこすり合わせて洗ってください
片栗粉を入れてあさりに食べさせるだけで、ふっくらした身で食べられるなんて…。簡単に美味しいものが食べられるのはとても幸せですよね?
ちなみにこの方法はシジミでもできますので、興味がありましたら是非試してみてください。
なんとはちみつでも砂抜きができる!
もう一つ、同番組で話題になった「はちみつ」を使った方法もご紹介します。
〈分量〉
- 水 200ml
- 塩 小さじ1
- はちみつ 菜箸の先に2cmほどつけて垂れないくらいの量
〈作り方〉
- 水、塩、はちみつ全部を混ぜ合わせる
- あさりを加えて冷暗所で2時間置く
- 2時間後、汚れた水を捨てて殻をきれいにこすり合わせて洗えば砂抜き完了です
ブドウ糖を海水に入れることによりあさりの成長が促進され、あさりのうまみ成分である「コハク酸」を増やすことができます。
これにより、はちみつを入れていないときに比べてうまみを2割ほど増やす効果が期待できるわけです。
まとめ
- あさりを砂抜きするときは、あさりが住んでいた時の環境に近づけてあげることが大事
- スーパーで買ってきたあさりと潮干狩りで獲ってきたあさりは砂抜きをする時間が違う
- あさりを塩水に浸けるときは、水1ℓ、塩30g(大さじ2杯)
- 水はカルキを抜いたものが良い
- あさりは重ねないようにバットに並べ、砂を吐き出すのでバットの上に新聞紙などでふたをする
- あさりが海水をまき散らしたことによる腸炎ビブリオ菌の中毒を引き起こさないためにも、きちんと新聞紙やアルミホイルでふたをする
- 食塩水に浸ければどんどん砂を吐くわけではないので、砂抜きした後は食塩水から出して冷蔵保管する
- 50℃のお湯を使うことで砂抜きが時短できる(最低10分は待つこと)
- 片栗粉を食塩水に入れるだけで美味しくなるばかりではなく砂抜きもできる
- はちみつを入れることによって、砂抜きができる上にあさりのうまみ成分「コハク酸」を増やすことができる
以上があさりの砂抜きと、時短で簡単にできるおすすめの方法でした。
私が実家暮らしをしていた時は、春先にはあさりの味噌汁が良く食卓に出ていました。
家族で潮干狩りに行くことはなかったので、母はスーパーで買ってきていたのだと思いますが、台所の土間で新聞紙をかぶせて砂を吐かせているところを見たことがあります。
新聞紙をめくってあさりの様子をじ~っと見ていたら、時々ピューピュー水を吐いてたので、その様子がとても面白く、長い時間眺めていたことを思い出しました。
その様子を見てて思ったことは、「私たちは生き物の命を頂いて生きているんだな」ということです。
あさりが砂を吐くところを見たことがないのであれば、ぜひ一度見てみて下さい。なんだか愛着がわきますよ。そして最後は美味しくいただきましょうね~。
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