
片付けをしていたら、未開封だけど常温保存になっていた何年も前のワインが出てきた!
これって飲めるの?
こんな経験ありませんか?この常温保存されていた未開封のワインが飲めるのか確認しようと、瓶やラベルをみても賞味期限の表示がないですよね。
実はワインには賞味期限がないのです!理由はワインは瓶に詰めたあとも熟成が進むため、腐るということがないためです。
しかしワインは「飲み頃」を逃すと味わいが劣化してしまいます。これはワインの性質や保存方法で変わります。
そのため未開封で常温保存されていたワインは飲むことはできますが、飲み頃ではなくおいしくない可能性があります。
ワインに賞味期限はないですがおいしく飲める「飲み頃」を逃さないため、購入後飲むタイミングや保存方法について説明していきます。
ワインは賞味期限がないから未開封で常温保存はOK?

前述したようにワインには賞味期限の記載がなく、賞味期限は存在しません。これはワイン独特の性質に関係があります。
ワインを未開封で長期間常温保存している人は多いのではないでしょうか?
ワインに賞味期限の記載がない理由と、未開封のワインの場合どのくらいを目安にして飲むと良いか詳しく説明していきます!
ワインの賞味期限表示がない理由
ワインは賞味期限の表示がされていません。ワインは樽の中で熟成させ造られるお酒で、瓶詰めされたあとも熟成し続けるため未開封であれば腐るということがないのです。
賞味期限とは未開封で表示される保存方法通りに保存した場合に、品質が変わらずおいしく味わうことができる期限のことをいいます。
ワインは未開封であっても気温や湿度、紫外線、振動などの保存状況の違いから品質が変化しやすい飲み物です。
そのためおいしく味わえる「飲み頃」に関しては市場に出回ったときから数十年後までなど非常に期間が長く、風味や美味しさの目安の賞味期限を表示することができないのです。
ワインが腐らないのは発酵食品であるため、ワインの中の酵母が腐敗の原因となる菌を締め出す役割を果たします。
また酵母が作り出したアルコール分には抗酸化作用がありワインの腐敗を防いでくれるのです。
未開封のワインは腐ることはないですが、劣化することはあります。これについては後述していきます。
未開封のワインの飲み頃について

ワインは腐らない飲み物なら、いつ飲んでも良いのかな?
ワインには賞味期限がなく腐らないということが分かりました。しかしそれぞれにおいしく味わうことができる「飲み頃」をすぎると劣化することがあります。
劣化してしまうとワインの香りや風味が悪くなってしまうため、飲み頃に味わうことをおすすめします。
種類別に未開封のワインの飲み頃について説明していきます。
<手頃な価格のワイン>
スーパーマーケットやコンビニなどで売られているワインで価格が500円~2000円程の手頃な価格のワインの場合です。
普段の食事のテーブルワインとして造られており、熟成できるようにはなっていません。
購入時にはすでに飲み頃の状態で店頭に並べてあります。そのため購入してすぐに飲むことをおすすめします。
<赤ワイン>
熟成タイプでないものは2年~3年以内、またボージョレーヌーボーの場合は1年が目安になります。
熟成タイプのものは産地や使用されるブドウ品種によって飲み頃が変わります。
ボルドー地方やブルゴーニュ地方のワインには、渋みと酸味が強くゆっくり熟成するものが多くあります。
<白ワイン>
熟成タイプでないものは1年~2年以内が飲み頃になります。モンラッシュは10年寝かせてようやく飲み頃になるというものもあります。
ソーテルヌの貴腐ワインや極甘口の白ワインも長期熟成が可能です。
<スパークリングワイン>
長く保存するとガスが抜けてしまうため購入後早めに飲むことが望ましいです。長くても1年を目安に飲むようにしましょう。
常温保存は注意が必要
ワインには賞味期限がないですが、それぞれの飲み頃があることがわかりました。
購入後すぐに飲む場合は問題ないのですが、ワインが飲み頃になるまで自宅で長期間保存しておく場合、常温で放置は注意が必要です。
なぜなら、ワインは瓶に詰められた後も熟成し続ける「生き物」であり、光、温度、湿度などの環境によってその性質が左右されます。
適した保存状態でない環境で長期間保存されたワインは、変質している可能性があり注意が必要です。

常温でそのまま放置されていたワインは飲めるような状態ではないかもしれないのね!
ワインの劣化について
ワインには賞味期限がなく腐るということはないのですが「劣化する」つまり味わいが悪くなることがあります。劣化する原因については以下のものがあげられます。
- ブルジョネ
- 酸化
「ブルジョネ」とはワインの線に使われているコルク栓の汚染やカビによって発生する品質劣化のことです。
コルクは栓は樹木の皮からできており、中に微生物や菌また、コルク成形の過程で発生した化合物「TCA(トリクロアニゾール)」が原因と言われています。
保存環境を良くしていても発生してしまうもので、健康に害はありませんが、味や風味を大きく損ないます。
もうひとつワインを劣化させる原因に「酸化」があります。
ワインはリンゴ酸やクエン酸など、様々な酸で構成されたお酒です。これらの酸が長い年月をかけて熟成し、開栓したあと空気に触れる酸化熟成で飲む直前に良い味わいを出します。
しかしワインを保存している状態で、コルク栓の不具合で空気がボトルに入ってしまい、ボトルの中で酸化してしまった状態は悪い酸化で味や風味が落ちてしまいます。
また高温状態にすると酸のバランスが崩れて酸化してしまうことがあります。
ワインを高温状態にしないことや、コルク栓の不具合がおきないよう乾燥させないことが必要です。
未開封のワインの保存については次に詳しく説明していきます。
ワインには賞味期限がないけど保存方法に気を付けよう

ワインには賞味期限はありませんが、長期間保存する場合にはワインに適した環境にすることが必要です。
ワインセラーに入れることが最適な環境と言えますが、自宅にない場合は保存方法に注意しましょう。ワインを自宅で保存する場合の注意点はこちらです。
- 温度:13~15度が適温
- 湿度:コルクが乾燥しないように70%前後が理想
- 光 :日光だけでなく、蛍光灯の光も避ける
- 振動:振動のない場所を選ぶ
- 匂い:コルクから匂いも吸収するため強い匂いのものを近くに置かない
ワインに賞味期限はないのですが、保存方法によって劣化はするのでこのような環境をつくることが必要とされます。
自宅では涼しい部屋のクローゼットや押し入れ、床下収納などがあります。
部屋に保管する場合は温度が高くなりにくい南より北側、2階より1階に置いておくようにしましょう。
また一定の温度が保たれない場合は高温より低温状態の場所を選ぶようにしましょう。
土地や自宅の作りによって最適な場所は変わってくるので、上記のポイントに近い場所を探してみましょう。
コルクを乾燥させないようコルクをラップでまき、光を遮断するために瓶を新聞紙に包んで保存すると良いです。
次に季節ごとの保存で注意する点について説明していきます。
夏季の保存
夏場は外気温が30度以上となり、ワインにとっては大敵です。長期保存する場合は冷蔵庫に入れることをおすすめします。
最適温度より下回ってしまうんじゃないかと心配もありますが、高温にしておく方がワインにとってはダメージが大きいのです。
冷蔵庫は開閉による振動があります。振動がなるべく伝わらないよう新聞紙を巻いたあと、プチプチなどの緩衝材を巻いて低温の野菜室に保存すると良いです。
冬季の保存
冬場はクリスマス、年末年始とワインがテーブルに出されることが多くなる季節ですよね。光を遮る箱に入れ、暖房の効いていない部屋に保存しておけば大丈夫です。
寒冷地在住の方は冷えすぎないよう冷蔵庫の野菜室へ入れるようにしましょう。
このように未開封のワインは賞味期限はないものの、劣化しないよう保存方法に注意し特別な日に開封しておいしく味わいたいですね!
ワインの賞味期限は開封後どうなる?保存方法も解説!

ワインを開封して一度に飲みきることができれば良いのですが、余ってしまうこともありますよね。
未開封のワインの賞味期限はないのですが、ワインは開封と同時に酸化が進むため賞味期限があります。
開封後の賞味期限を知り、安全にワインを味わいましょう。またワインが残ってしまったときの保存方法について説明します。
開封後の賞味期限
開封後のワインの賞味期限は種類によって目安があります。それぞれの目安に従って飲むようにしましょう。
<お手頃価格のワイン>
開封と同時に酸化が始めるために早めに飲みきるようにしましょう。冷蔵庫に保管しておくと1週間程度もつものもあります。
<赤ワイン>
3~5日程度を目安に飲みきるようにしましょう。ライトボディの赤ワインは酸化すると酸味が強くなってしまうため早めに飲みきることをおすすめします。
赤ワインは開封してから時間の経過によって味の変化を楽しむことができます。フルボディやミディアムボディが重いと感じた場合は時間を置いて飲むと味の変化を楽しめます。
<白ワイン>
5日程度を目安に飲みましょう。白ワインは辛口と甘口で性質が異なります。
辛口は糖分が少なく酸素に触れると酸化しやすい特徴があるので、できるだけ早めに飲みきるようにしましょう。甘口は1カ月程度保存できるものもあります。
<スパークリングワイン>
一度開封すると炭酸ガスが抜けてしまいます。きめ細やかな泡や炭酸の刺激を味わえなくなってしまうため当日のうちに飲みきるようにしましょう。
どうしても飲みきれない場合は、シャンパンストッカーというスパークリングワイン専用の栓が販売されており活用してみるのも良いです。翌日でも味わうことができますよ♪
開封後のワインの保存方法

ワインおいしかったけど、今日はもう飲めない…。明日も飲めるかな?
ワインを開封したけど全部飲みきれずに余ってしまうこともありますよね。
開封後は酸化が進んでしまいます。酸化を進める原因はワインが空気と触れることです。
ワインが空気に触れる面積を少なくすることで、味わいを大きく損なうことなく保存することができます。
- コルクまたはストッパーで栓をする
- 冷蔵庫へ入れる
- ワインセーバーを使用する
- ガスを注入する
- 小さな瓶に移し替える
このような方法でワインが空気に触れることを少なくし、味わいを保ちます。
コルクの栓は抜いたコルクを反対側を注ぎ口に入れ、再栓します。
清潔を保ち密閉度をあげるために注ぎ口にラップを巻いてから栓をするのもおすすめです。
市販のワイン栓やストッパーなども使えます。スパークリングワインはコルクの再栓ができないのでストッパーを使用します。
ワインは温度が高いと酸化のスピードが速まるので冷蔵庫で保存しましょう。横にするとこぼれる恐れがあるのでドアポケットに立てておきます。
振動に弱いのでドアはなるべくゆっくり開閉しましょう。
ワインセーバーという機械でワイン内の空気を抜く方法やガスを注入して酸化を止める方法、小さな瓶に移して物理的にワインが酸素に触れることを少なくする方法もあります。
まとめ

- ワインに賞味期限がないのは、瓶詰めされたあとも熟成し続けるため腐るということがないため
- 賞味期限がなく腐るということはないが「劣化する」つまり味わいが悪くなることがある
- ワインにはそれぞれ飲み頃があり、飲み頃を過ぎると劣化する可能性がある
- 未開封のワインでも適した環境でない常温保存されているものは変質している可能性がある
- ワインを自宅で保存する場合、温度、湿度、光、振動に注意する必要がある
- 一定の温度が保たれない場合は高温より低温状態の場所を選ぶようにする
- 開封後のワインは酸化が進むため賞味期限がある
- 開封したワインが残ってしまい保存する場合は、空気に触れることを少なくし冷蔵庫に保存する
ワインを未開封で常温保存しているという方は多いのではないでしょうか。賞味期限はないですが、デリケートな飲み物で保存するときは注意が必要なのだと分かりました。
未開封でも常温保存しておくとワインが劣化してしまう可能性があるので、そのワインの飲み頃を把握することや、正しい保存方法を行いおいしく味わってくださいね!
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