あなたはハンバーグが好きですか?ハンバーグって作るのに手間がかかりますが、とってもおいしいですよね?
でも、ハンバーグを作るたびに味が決まらないというか…。硬かったり柔らかすぎたりで…。どうすればいいのかしら?
実はハンバーグに入れる最適なパン粉の割合があるんですよ!
美味しいハンバーグを作る秘訣はパン粉の割合だったとは…。驚きです!
ちなみにハンバーグのパン粉は、お肉を柔らかくするためであって「つなぎ」ではありません。
それでは、ハンバーグを美味しくするためのパン粉の割合はどれくらいかを、この記事を読んで確認しましょう。
ハンバーグを美味しくするパン粉の割合はどれくらい?
ズバリ「肉9:パン粉1」です。では、その数字はどうやって計算されたのか検証してみます。
ハンバーグにパン粉を入れる理由
「肉100%、無添加で混ぜ物なし」というと聞こえはいいのですが、ひき肉だけでハンバーグを作ると硬くなります。
私たちの身近なところで例をあげると、某有名ファーストフード店のパティは肉100%といわれていますが、その証拠に肉はかなり固めです。(私は好きですが)
肉を柔らかくするために様々な食材が加えられていますが、一番効果が高い食材がパン粉です。
しかし、パン粉を入れる量はレシピによって差があるので、どれくらいの効果があるのかはわかりません。
そこで、パン粉の効果を確認しながら、食べた時の食感の関係も出してみようと思います。
ハンバーグの肉汁の流出量とパン粉を加えた量の関係
ハンバーグを作る工程で実験をしてみました。材料や条件は以下の通りです。
〈材料〉
- スーパーで買える合いびき肉
- 乾燥しているパン粉
- 重量に対して1%の塩
〈条件〉
- パン粉を加える量は肉の重さに対して2,4,7.5、14、24%で計測
- 塩は総重量の1%を練り込む
- 温度は180℃のオーブンで10分加熱する
- 肉汁の流出量を測定する
- 硬さを測定する機材など専門的なものはないため、自分で食味を評価する
- 焼く前と後で重さを測る(肉汁の流出量を測定するため)
結果は次の図の通りです。縦軸は肉汁の流出量、横軸はパン粉を入れる量を表しています。
パン粉を入れる量を増やすことで肉汁の流出が抑えられていく様子が確認できます。
パン粉の量を15%以上にしても肉汁の流出が7%程度見られるのは、肉表面から溶け出した脂や蒸発した水分などです。
この図から、パン粉を入れる最適な量は10%もあれば十分美味しく作ることができるということです。
それでは、それぞれのハンバーグを食べた時の食感の関係です。
2% | 4% | 7.5% | 14% | 24% | |
しっとり感 | × | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ |
美味しさ | △ | 〇 | 〇 | × | × |
備考 | ほぼ肉 | まあまあ | なかなか | 柔らかい | ほぼパン |
美味しく感じられるパン粉の量のハンバーグは、4%と7.5%のものでした。2%のハンバーグも肉々しくて美味しいのですが、若干硬いため万人受けはしないでしょう。
逆にパン粉の量を多くしすぎると、肉汁を閉じ込めて柔らかくジューシーな一方で、パンに近くなるためにハンバーグとしては微妙なところです。
肉汁を閉じ込めつつしっとりと、かつそこそこ柔らかく美味しいハンバーグを作るパン粉の量の秘訣は5‐10%くらいになると考えられます。
ハンバーグのパン粉の代用品になるのはこの5つ
ハンバーグを作ろうかなと思って探したけれどパン粉がない!という経験はありませんか?
パン粉を頻繁に使う家庭でじゃない限り、パン粉を常備している、などということはほとんどないのではないでしょうか?
そこで、ハンバーグのパン粉の代用になる食材をいくつかご紹介したいと思います。
片栗粉
パン粉の代用として「片栗粉」を使うことで、肉汁を閉じ込めることができます。片栗粉で代用する際は、種に混ぜ込むのではなく成形した後に周りにまぶして使います。
こうすることで肉をコーティングして、肉汁の流出を抑えてジューシーな仕上がりになります。
小麦粉
小麦粉は片栗粉と同じように使えます。どちらを使っても大差はありませんので、好みの方で代用してください。
お麩
意外な食材ではありますが、お麩の原料は小麦粉なのでこちらを代用することもできます。お麩はパン粉のように水分を吸う性質がありますのでパン粉の代用には最適です。
おから
ヘルシーに作るなら「おから」もおすすめです。おからの原料は大豆なので、たんぱく質や食物繊維が豊富です。水分を吸う性質があるので、パン粉のような使い方ができます。
高野豆腐
こちらも意外な食材ですが、「高野豆腐」もおすすめです。高野豆腐は豆腐を凍らせた物ですし、先述のおからと原料は同じ大豆です。
パン粉の代わりに豆腐は向かない
パン粉の代わりに豆腐を入れるというパターンもありますが、「豆腐ハンバーグ」となり食感が変わってしまうのでおすすめしません。
豆腐ハンバーグとして作るのであればいいのですが、パン粉のように「つなぎ」「肉汁を吸う」という役割を果たせないので向かないのです。
ハンバーグに入れるパン粉は牛乳なしでできるのか?
では、なぜ牛乳を入れているのかその理由をご存知ですか?
今まで当たり前のように入れていたけれど、そういえばなんでだろう?考えたこともないわ。
と、実際にはなぜ入れているのか、何のために入れているのかわからなかったりしますよね?
それでは、ハンバーグを作る際に使用する牛乳の役割とは何なのかをお伝えします。
- 臭みを消す
- つなぎ
- 肉をふっくらジューシーにするため
どんな理由があるのか1つずつ見ていきましょう。
〈臭みを消す〉
文字通り「肉の臭みを取るため」に入れます。これはハンバーグだけではなく、肉全般に言えることです。
ハンバーグはひき肉、またはパン粉に牛乳を浸して混ぜますが、ステーキ肉など厚みのある肉は、下準備として牛乳に漬け込んでおくと美味しく焼き上げることができます。
〈つなぎ〉
ひき肉だけではまとまらないので、牛乳を肉のつなぎとして入れています。
ハンバーグには卵なども入れるので、牛乳だけを「つなぎ」としているわけではありませんが、つなぎの一つとして役立ってくれているのです。
〈肉をふっくらジューシーにするため〉
肉はそのまま調理するとパサつきますので、水分を加えパサつきを抑える必要があります。
パサつかず、ふっくらとしたハンバーグに仕上げるためには、水分の役目を果たしてくれる牛乳が必要になるのです。
また、牛乳には肉の繊維を壊して柔らかくする効果もあるので、ふっくらジューシーに仕上がるのです。
ハンバーグ作りには牛乳がないとだめなの?
ひき肉の臭みを消したり、つなぎの役割をしたり…と、いわば万能調味料といっても過言ではない牛乳!
牛乳一つで様々な役割を果たしてくれるのですから、とっても便利な材料ですよね?
ならば、もう、牛乳以外ではハンバーグを作ることはできないのでしょうか?いや…そんなことはありません!
つまり、牛乳の役割の代わりを担ってくれる調味料が他にあれば問題ないだけの話です。
牛乳なしでも十分美味しいハンバーグを作ることができます。では、牛乳の代用品にはどのようなものがあるのかご紹介します。
水と片栗粉
水は、牛乳と同量でOK、片栗粉(または小麦粉)の量は様子を見ながら足していく感じで大丈夫です。
水+片栗粉(小麦粉)の場合は、一味足りないような仕上がりになることがあります。
もしも、この組み合わせで作るのでしたら、ハンバーグにかけるソースの味をいつもより少し濃い目にするなどして、調整してください。
ただ、問題なく作れているのであればいいのですが、水だけですと肉の脂となじめないのでハンバーグの種が緩くなる可能性があります。
おそらく水だけでは頼りないでしょうから、この場合、種が緩いようでしたら様子を見ながら片栗粉か小麦粉を足して調整してみるとうまくいきます。
反対に、水を入れずに片栗粉(または小麦粉)のみの場合ですと、今度は水分が足りなくて種が硬めに仕上がってしまいます。
種のまとまりはいいのですが、焼いたときには硬くてずっしりとした感じのハンバーグに仕上がってしまいます。
ヨーグルト
牛乳と同量で大丈夫です。なんとなくですが、ヨーグルトといえば「酸味」が気になるかと思います。
しかし、ハンバーグを焼いているうちに熱で酸味は飛んでしまいますので問題ありません。しかも同じ乳製品なので、仕上がりは牛乳と大差ない感じに出来上がります。
豆腐
いわゆる「豆腐ハンバーグ」というものです。豆腐はつなぎの役割を果たしてくれますし、何よりヘルシーです。
まろやかで口当たりのいいハンバーグが出来上がりますが、ただ一つ注意点があります。それは「事前に必ず豆腐の水切りをすること」です。
しっかりと水切りをしなかった場合、肉が緩くなりすぎてまとまらなくなることがあります。
あと、豆腐を入れる場合は、ひき肉と半々の分量で作りましょう。
長いも
ひき肉300gに対し長いも約60gを目安で、長いもはすりおろして使用してください。
長いもをすりおろす際はビニール手袋をすることをおすすめします。
皮付近に多く含まれる「シュウ酸カルシウム」は針のように尖っており、それが手に刺さることでかゆみを感じるためです。
長いもを使うと、それほど頑張ってこねなくてもふわふわに出来上がります。
長いもはすりおろさなくても、角切りにして入れても大丈夫ですよ。独特の粘りが角切りにしてもつなぎの役目をはたしてくれるので、肉をしっかりまとめてくれます。
角切りにすることで食感も変わり、いつもと違った風味のハンバーグができますよ。
豆乳
牛乳と同量で使用します。豆乳には「調整豆乳」と「無調整豆乳」がありますが、ハンバーグのつなぎで使う量であればどちらを使用してもたいした変わりはありません。
牛乳よりも豆乳の方が肉汁を逃がさず、中に閉じ込めてくれる効果が高いので、豆乳を好んで使う場合もあります。
生クリーム
牛乳と同量で使用します。牛乳よりも少し高価ではありますが、ふっくらジューシーに仕上がり、かつコクが出ていつものハンバーグよりも美味しく出来上がります。
マヨネーズ
ひき肉300gに対して、マヨネーズ大さじ1の割合で使用します。
マヨネーズ1つで「パン粉+牛乳」の代わりになりますので、もしどちらもなかった場合はぜひマヨネーズで作ってみると良いでしょう。
マヨネーズも生クリーム同様に、コクが増してジューシーな仕上がりになります。
パン粉のみ
最後に、代替品ではないですが、何も入れないという方法もありますので、ご紹介します。
卵やパン粉など、通常の調味料は使いますが、牛乳や牛乳の代わりとなるような水分を一切入れないというものです。
外からの水分に頼らないで、ひき肉を熱したことで出てきた肉汁などをパン粉に吸わせて、肉汁を外に逃がさないという方法です。
「本当にうまくいくの?」と思われるかもしれませんが、意外にうまくいきますのでぜひ試してみてください。
まとめ
- 美味しいハンバーグを作るなら、肉9:パン粉1の割合で作ると良い
- ハンバーグに入れる牛乳は肉の臭みを消し、つなぎの役割があり、肉をふっくらジューシーにするため
- ハンバーグは牛乳なしでも美味しく作ることができる
- 水と片栗粉(または小麦粉)が牛乳の代用になる
- ヨーグルト・豆腐・長いも・豆乳・生クリーム・マヨネーズでも牛乳の代用になる
- パン粉だけでも美味しいハンバーグができる
- パン粉の代用品として片栗粉・小麦粉・お麩・おから・高野豆腐が使える
- 豆腐はパン粉の代用品には向かない
私もハンバーグ作りは大好きでよく作っていましたが、よく柔らかくなりすぎたりして、いつも「しっかり焼けるかどうか心配…。」とハラハラしていました。
まさか、パン粉とひき肉の割合が関係していたとは驚きでした。それまでなんとなくでパン粉を加えていたためです。
これで私もハンバーグを美味しく作るのに関係する肉とパン粉の割合が9:1ということが分かったので、もう失敗することもないでしょう。
是非、あなたもおいしいハンバーグを作って、至福の時間を過ごしてくださいね。
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