赤ちゃんって本当に可愛いし、見ているだけでも癒されますよね?最初はミルクや母乳だけでも栄養が取れますが、大きくなるにつれ、より多くの栄養素が必要になってきます。
でも、赤ちゃんの消化機能はまだ未熟だから、赤ちゃんに合わせた離乳食のメニューを作らないといけないよね?
新米ママや久しぶりの赤ちゃんだと、離乳食作りや「早いか遅いか」の始める時期に悩んでしまっているのではないでしょうか?
正直、離乳食を始める時期は遅い時期、つまり「もぐもぐ期」からでも大丈夫です。
離乳食のもぐもぐ期は、一般的に遅い期間の生後7~8か月頃をいいますが、名前のとおり“もぐもぐ”と口を動かして食べ物をつぶして飲み込む練習の時期です。
この記事を読んでムリなく赤ちゃんの離乳食を始める時期を考えていきましょう。
離乳食を始める時期は遅い方がいい理由とは?
私が子育てをしていた時から、一般的には赤ちゃんの離乳食を始める時期は生後5か月から、と言われていましたが、昔はもっと遅かったりしていました。
今現在は、離乳食を始める時期は生後5~6か月から始めると良いといわれていますが、真相はどうなのでしょうか?
必ずしも生後5か月からというわけではない
見出しにもある通り、離乳食を始める時期に関しては個人差が大きいので、必ず5~6か月から始めないといけないというわけではありません。
突然おっぱいやミルクと違うものが入ってきた時はビックリしたよ!
こんな気持ちになる赤ちゃんもいると思いますし、逆に、食べることに貪欲な赤ちゃんもいると思うのです。
あれ?これ今まで飲んでいたものと全然違う!すごく美味しいぞ!
こんな感じで大人が食べている姿を「じ~っ」とみている赤ちゃんは、初めてミルク以外のものが口の中に入ってきたらこのように感じるのではないでしょうか?
つまり、赤ちゃんの体調などに合わせて始めることが大事だという事です。なので、みんながみんな生後5~6か月から始めているわけではないので安心してください。
離乳食の開始時期は早すぎてもダメ
初めて離乳食を食べ始める際、その子の身体の調子によっては下痢や便秘になったりアレルギー反応を示してしまう子もいます。
もぐもぐ期から離乳食を始める場合は、赤ちゃんに与えるものは離乳食初期の“ごっくん期”のメニューから始めましょう。
なぜなら、母乳やミルク以外の食べ物が口に入るというのに、いきなりもぐもぐ期の少し粒が残っている食べ物が口に入ると、赤ちゃんも驚いたり嫌がって食べないかもしれません。
ごっくん期のメニューは、なめらかにすりつぶした「10倍がゆ」からです。1日1回、小さじ1杯から始めてください。慣れてきたら少しずつ野菜や豆腐を増やしてください。
離乳食を与える際に注意することはある?
離乳食を与える時、3つのことに注意する必要があります。以下のことには注意してください。
- 午前中に与える
- 少しずつ増やす
- 1日1回から
〈午前中に与える〉
離乳食は午前中に与えます。もし、アレルギー反応など、体に異変が現れた場合でも午後から小児科を受診することができるためです。
〈少しずつ増やす〉
離乳食を始める際は、まずはおかゆが基本になります。なめらかにすりつぶした10倍がゆを小さじ1杯から与え、数日かけて少しずつ増やしていきます。
赤ちゃんが離乳食に慣れてきたら、野菜も同じようにすりつぶして小さじ1杯から与えて増やしていきます。
最後に豆腐です。これもすりつぶして小さじ1杯から始めましょう。焦らずに少しずつ赤ちゃんのペースで進めていってくださいね。
〈1日1回から〉
もぐもぐ期の頃は1日2回が目安ですが、ごっくん期でしっかり食べ物を口に入れて飲み込むことに慣れてきたからできることです。いきなり1日2回与えるのはやめてくださいね。
かみかみ期からだと遅い?
一般的に離乳食の「かみかみ期」は生後9~11か月頃をいいます。かみかみ期から離乳食を始めるのは、赤ちゃんのペースに合わせてのことならば、それでも大丈夫です。
また、母乳のみを与えている赤ちゃんならば、必要な鉄分が足りているので1歳から始めても問題ないという方もいます。
「フォローアップミルク」もありますので、かみかみ期だから遅いと言い切れるわけではありませんが、1歳過ぎて保育園に預けようと思っていると園側から一言あるかもしれません。
また、保健師や小児科医から「早く始めてください」と注意を受けることもあるようです。
しかし、普通に離乳食を始めていけば段々食べてくれるようになるので、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。
母乳やミルクを併用しながら、赤ちゃんの成長に合わせて離乳食を始めて、心配な時は保健師・小児科医に相談をしてみましょう。
かみかみ期からあげる場合は何をどれくらいの量で?
かみかみ期から離乳食を始める場合も、まずは1日1回の「10倍がゆ」を小さじ1杯から始めます。
かみかみ期の赤ちゃんが奥の歯ぐきで食材をつぶして飲み込めるからといっても、離乳食に全く慣れていない状態で固形に近いものを突然口に入れるのは危険です。
ですから、当分はごっくん期のメニューで1日1回の離乳食にしっかり慣らしていきましょう。これもはじめは10倍がゆから始めてください。
食べる量が増えてきたら、野菜をすりつぶしたものを小さじ1杯から始めて、これも量が増えたら豆腐を与え、慣れたらもぐもぐ期に移行して1日2回にしていきます。
お母さんが焦って「かみかみ期に追いつかせないと」という考えを持つと、赤ちゃんの離乳食のペースに合わないので焦りは禁物です。
基本的にかみかみ期から離乳食を始める際に注意する事は、もぐもぐ期から離乳食を始める際に注意する事と変わりはありません。
- 赤ちゃんのペースで始める
- 少しずつ与える
- 午前中に与える
〈赤ちゃんのペースで始める〉
かみかみ期になると生後5~6か月頃に比べて消化機能が発達していたり、咀嚼(そしゃく)・飲み込むことが上手だったりします。
なので、ついどんどんペースアップして離乳食を進めようとしてしまいがちですが、赤ちゃんの様子をよく見てペースを考えましょう。
ごっくん期・もぐもぐ期のメニューをあっという間に終わってかみかみ期のメニューに突入する子もいれば、マイペースに進んでいく子もいます。
周りと比べずに赤ちゃんと向き合ってペースをつかんでください。
〈少しずつ与える〉
かみかみ期から離乳食を始めて、赤ちゃんが親の予想に反してたくさん欲しがったとしても、1日1回小さじ1杯から少しずつ与えるようにしましょう。
最初からたくさんの量を与えてしまうと、アレルギー反応が出た場合、症状がひどく出てしまうことがありますし、慣れない離乳食で下痢や便秘を引き起こすこともあります。
なので、はじめは“少しずつ少量で”を守るようにしましょう。
〈午前中に与える〉
かみかみ期から離乳食を始める場合でも、赤ちゃんに万が一アレルギー症状などの異変があった時、病院にその日のうちに受診できるよう、午前中に離乳食を与えましょう。
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」によると、離乳食は生後5か月~6か月頃から始めるのが望ましいとされています。
でも実際は離乳食を始める時期に関していろんな情報が飛び交い、離乳食を遅らせた方がいいとか、早く始めた方がいいとか、どれが正しいのか迷ってしまいますよね。
だからこそ、離乳食の基準である生後5か月~6か月というのも、始めるのに重要な目安になります。
ただし、途中で体調が悪いとか嫌がるなどがあれば離乳食を中断することもありますし、決して定められた基準通りに赤ちゃんの離乳食が進むわけではありません。
どれだけ時期が遅くなったとしても、赤ちゃんは離乳して自分で食べられるようになりますので、ごっくん期のメニューから少量ずつ慎重に始めることを基本としてください。
早産の赤ちゃんの離乳食を始める時期は?
お子様が早産や低出生体重児でお生まれになられた場合、「離乳食をどのようにすすめたらいいのか?」といった悩みは大きいですよね。
修正月齢を目安に離乳食を始めましょう、と言われることが多いと思いますが、医学的には一定の基準があるわけではありません。
一人一人の運動発達や精神発達、「食べるための発達」と言われる摂食の興味は個人差が大きく、一概に修正月齢には沿わないことも多いです。
離乳食を始める目安になる4項目
離乳食の始める時期の目安は、以下の4つが参考になります。
- 首の座りが安定している
- 支えると座れる
- スプーンを口に入れても舌で押し出すようなことが減る
- 大人の食事に興味を示す(じっと見つめる、口をもぐもぐさせる、よだれを垂らすなどの行為)
このような様子が見られる時期が正期産児だと生後5~6か月、早産時では修正5~6か月のことが多いため、修正月齢を目安に離乳食を始めましょうと指導されることが多いです。
しかし、赤ちゃんの発達はみんな同じというわけではありません。
体重や月齢よりも、上に上げた発達具合の目安を参考にして離乳食を開始し、修正月齢1歳半くらいには離乳食が完了していれば良いと考えられています。
よく食べる赤ちゃんはどんどん進めましょう
多くの育児本やインターネットサイトには、写真付きで離乳食の進め方が詳しく載っているかと思います。
よく食べる赤ちゃんは必要な栄養も早く追いつこうとして必要な栄養が増えている状態なので、離乳食の進行を早めても大丈夫です。
逆に、離乳食を進める過程で掲載された順番通りに食べられないと、次のステップに進めないかのような錯覚に陥って悩んでいるお母さんは多いです。
10倍がゆの時期が長かったり、なかなか食べないからと野菜ペーストの時期が長かったりすると、食事から取り入れるべき栄養が不足してしまうことがあります。
うまく食べないなぁ、離乳食が進まないなぁ
と、日々悩んでいるうちに赤ちゃんはどんどん成長していき、離乳食の形態や内容が合っていないこともたくさんあります。
その場合は一つのステップにあまりとどまらないで、次のステップに進めてみることも大切です。
妊娠中には胎児に優先して運ばれる栄養素があります
妊娠中は母親の血液中の栄養分が、へその緒を通して赤ちゃんに優先的に流れます。これを「能動輸送」と言います。
特に妊娠後期にはお母さんの栄養が赤ちゃんに急速に流れますが、早産だとその栄養を十分に受け取る前に生まれてしまいます。
ですから、赤ちゃんが授乳や食事として自分の口から栄養を摂取しないといけません。
早産のお母さんから出る母乳は早産児用の栄養分の濃い母乳が分泌されます。
しかし、離乳食が始まる頃の赤ちゃんはそれ以上にかなり成長するため、たんぱく質、亜鉛、鉄分が不足しがちです。
もし赤ちゃんが食べる意欲満々だったら、離乳食は積極的に進めるのも一つの方法です。
離乳食を始める時期はアレルギーがある場合早めても良い
この章では食品アレルギーのリスクがある方向けの内容ですが、普通体質の方も参考になる部分があるかと思いますので、よろしければご覧ください。
離乳食は始める時期を遅らせる必要はない
赤ちゃんに湿疹・アトピー性皮膚炎がある、またはご家族にアレルギー疾患をお持ちの場合、赤ちゃんの離乳食の進め方に悩んでしまうお母さんが多いようです。
大事な事は「離乳食の始める時期を遅らせず、栄養をバランスよく取ること」です。
- 離乳食の始める時期を遅らせない(通常の赤ちゃんと同様に生後5~6か月頃から)
- 気になる食材は「体調の良い平日の日中に、少量から始める」こと
- 湿疹がある赤ちゃんの場合は、十分な肌ケアと口唇ケアによる症状軽減が大事
- 米(おかゆ)・野菜などから開始し、白身魚・鶏ささみ・豆腐など順次すすめる
- 卵は「加熱卵黄を少量から」開始する
- 除去食が必要な赤ちゃんには、代替食により必要な栄養を補う
- 授乳中のお母さん自身の食事除去は基本的に不要
しかし近年では、「離乳食導入は遅らせないほうが食品アレルギーの発症を抑制できるのではないか」という研究発表が出ています。
卵のすすめ方
食品アレルギーリスクのある赤ちゃんの離乳食でよく質問されることが「卵のすすめ方」です。
卵については「加熱卵黄から」が安全です。
卵の初回摂取として卵ボーロや加熱度の低い調理卵(卵スープ・茶碗蒸しなど)を摂取した後にアレルギー症状で外来受診される赤ちゃんが毎年多いとのことです。
卵は、卵白よりも卵黄、非加熱よりも加熱卵が比較的安全です。そのため、「加熱卵黄→加熱卵白→加熱度の低い卵」の順に少しずつすすめていくことをおすすめします。
外来で提案している具体的な方法は「沸騰してから20分程度ゆでた卵から卵黄を取り出して、少量から開始する方法」です。
ゆで卵は調理後に長時間放置すると、卵白の成分が卵黄に移るため調理後は速やかに卵黄を取りだすようにしてください。
初めての摂取後は1~2日ずつ様子を見ながら少しずつ量を増やしていき、加熱卵黄1/2個(~1個)程度まですすめてみましょう。
そのままで食べにくい場合は、おかゆなどに混ぜてペースト状にするといいでしょう。加熱卵黄が安定して食べられるようになったら、加熱卵白を少しずつ開始します。
ただし、湿疹など皮膚症状が強い赤ちゃんなどは、思わぬアレルギー症状が誘発される可能性があります。
ですから、離乳食のすすめ方については主治医の先生と事前に相談しながら行うことが大事です。
最近、離乳食摂取後の数時間後(長いときは翌日以降)に嘔吐症状などが見られる「消化管アレルギー」の病態があることが知られています。
この症状は、かゆみや蕁麻疹がないことから、アレルギーに結び付きづらいので注意が必要です。
「卵黄・大豆・あさりなどを摂取した後、2~6時間後に嘔吐を繰り返す」という消化管アレルギーの赤ちゃんやお子様もいるようです。
このような症状が見られた場合は摂取を中止し、医療機関にご相談ください。
その他の食品のすすめかた
乳製品については、生乳やヨーグルトを少量から始めるとすすめやすいと思います。大豆は豆腐などから、小麦はうどんから少量ずつ始めてみましょう。
ピーナッツやエビなどは、ある程度離乳食がすすんでから始めるご家庭が多いようです。
ピーナッツはのどに詰まらせるリスクがあるので、小さく砕くなどして少量から、エビは桜エビなどを細かく刻むなどして少量からご飯やおかゆなどに混ぜると良いですよ。
どの食品においても、途中でアレルギー症状がみられた場合はすぐに摂取を中断してくださいね。
軟膏や内服薬(抗ヒスタミン薬)などが事前に処方されている場合は速やかに使用し、症状がひどい場合は医療機関を受診してください。
呼吸がゼイゼイしたり、吐き続けたり、ぐったりするなどのアナフィラキシー症状が生じた時は救急車を呼んでね。
まとめ
- 離乳食を始める時期は必ずしも生後5か月からというわけではない
- 離乳食の開始時期は早すぎてもよくない
- 離乳食を与える際に注意する事がある
- 離乳食は午前中に与える
- 少しずつ与え、増やしていく
- 1日1回から始めていく
- かみかみ期から離乳食を与える時も10倍がゆから始める
- 早産の赤ちゃんの離乳食を始めるタイミングは、赤ちゃんが食べたそうにしているとき
- よく食べる赤ちゃんはどんどん進めましょう
- 妊娠中には胎児に優先して運ばれる栄養素がある
- 赤ちゃんにアレルギーがある場合は離乳食を始める時期を早める
以上が赤ちゃんの離乳食を始める時期に関する記事でした。
私が娘を出産した時期は今から20年前でした。私は「母親学級」によく通っていたのですが、当時の先生はこのような事をおっしゃっていました。
「『離乳食は5か月から始めましょう』と言われていますが、あれは、戦後の日本の赤ちゃんが、お母さんから十分な栄養を摂れずに亡くなった子が多かった」
「そのことを懸念(けねん)したT大病院の教授たちが、生後5か月くらいから「おもゆ」くらいなら食べられるから、と提案した案件をいまだに引きずっているだけに過ぎない」
「当時は一人でも多くの赤ちゃんを生かすための苦肉の策だったわけです」
「だから現代の飽食の時代にそこまでは必要ないが、アレルギーの子はその限りではないです」とおっしゃっていました。
先生は「離乳食は生後8か月からでいい」とおっしゃっていましたが、私は娘が食べたそうにしていたので7か月から始めました。
あと、娘で実験したつもりではないのですが、まだ生後3か月の頃に3か月以上の赤ちゃんから飲めるほうじ茶を飲ませたら、お尻からそのまま出てきたことがありました。
怖かったのと申し訳ない思いで、小児科に連れて行ってもらった記憶があります。結果は「全く問題なし」でしたが…。
離乳食を作るのはちょっと大変ですが、この時期だけしか経験できない貴重な時間として楽しんでいただけたらと思います。
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